第一章 愛執の呪詛
 因果な男の浮気封じ
 遊女の媚術/“しんこ男根”で勃起封じ
 男根の酢漬け/「定吉二人キリ」
 逢魔が辻の恋占い
 魔のひそむ辻/黄楊の櫛で占う恋の行方/
 世につきまじは恋のまじない
 呪い釘・呪い針の厭魅
 女と嫉妬と生き地獄/草木も凍る「丑の刻参り」/
 四十九本の“頭のない釘”/呪いのスルメ/車谷長吉の呪詛
 厠の逢引、冥府の道行
 あの世に通じる便所の穴/
 便槽に浮かび上がる“未来の夫”/
 遊女と厠神/厠という他界
第二章 禁断の魔薬
 脳髄からつくる闇の秘薬
 「霊天蓋」のアブない原料/生首の売買/人体薬の値段/
 墓をあばく鬼畜/闇にうごめく臓器仲買人
 聖なる糞尿と賢者の石
 死者も生き返る「破棺湯」/糞便は人類の夢の万能薬?/
 白い肌をつくる黄色い化粧水/
 本当はおぞましい「賢者の石」
 女を虜にする淫の黒焼き
 蠱物と呪術/精液の黒焼き/中国の愛の呪術/
 江戸時代のバイアグラ/
 接して漏らさずVS接して吸いこめ
第三章 異端の蠱物
 神の宿りし陰毛の霊験
 福を招く“お化け陰毛”/神の陰毛の幸う国/
 千里を走る寅年女のヘア/
 陰毛に隠された悪魔の刻印/
 人心を操る魔毛のパワー/神の宿る毛
 猟奇の屍体と鬼神祭祀
 呪われた「栄光の手」/魔女の軟青の言えない中身/
 蠱物死体の条件と猫の怪異/戦慄の中国殺人祭鬼/
 首吊り縄で病気が治る?/
 博打で勝利する「血像」
 巫女の外法箱と秘密本尊
 “拝み屋さん”の不思議な力/外法箱の中の秘密本尊/
 異相の生首との生前契約/予言をさえずる外法人形
 死霊の崇り、死魂の怨念
 闇に葬られた水子の念/崇りを封じる逆さ葬法/
 “黄泉帰り”封じ/産女の怪/生ける屍と吸血鬼幻想
第四章 笑呪の禁厭
 縁起かつぎのお笑いまじない
 便所には「南天を埋めて良し」/
 蜂刺されに「九」、おできに「牛」/
 人麻呂で人が生まれて火も止まる
 /滑稽な呪文に託された古人の智恵
 摩詞不思議な民間呪文
 ちちんぷいぷい/秘呪中の秘呪/
 題目・念仏と合体した大日真言/
 イワシの頭も信心から
第五章 妖魔の邪術
 イカサマ呪術にエセ祈祷
 信じる者は救われない?/種も仕掛けもある怪異現象/
 霊媒師の賑しのテクニック/女郎の男殺し、医者の本殺
 妖巫邪覡の神秘商売
 皿女と女スパイ/ノノウ村より愛をこめて/
 イカサマ師と陰陽師は紙一重/
 疫神から伝授された避疫の法/
 大繁盛の呪術商売
 魔物の正体を見破る法
 名は妖魔の正体をあらわす/
 「キツネの窓」から異境を覗く/
 ガマの油の不思議な魔力/“眉唾”ではない魔除けの話
第六章 鎮魂の秘呪
 結びの花咲く国ニッポン
 「結び」は神代の昔から/宮中鎮魂祭の秘儀『魂の緒結び」/
 開けてはならない「魂手箱」/
 ホドキの呪術/魔女の結禁糸/
 うるわしき日本の花結び――結びにかえて