この本は江戸時代にくずし字で書かれた観音籤(かんのんせん)である『霊感 観世音 吉凶卜籤考』
(明治三十二年(1899年)三版)を判読して、現代の活字にしたものである。
元禄七年(1694年)に出版された初版は『霊感観世音籤三十二卦占』というタイトルだった。
1654
年に日本に来日した中国の禅僧である隠元禅師(1592-1673)によって伝えられたものという。
 内容は、5枚の銅銭を用いて、32通りの卦のうちの1つを求め、対応する卦の解説文を読み、
財運、婚姻、旅行、失せ物、病気などの占いたいことを占うものである。
簡単にだれにでも占うことができる。全文が活字化されたのは日本で初めてだろう。
江戸時代の内容なので、文章がわかりにくいところも多々あるかと思うが、
用語などについてわかりにくいところは細かく注釈を入れ、現代的にどう解釈するかについても
書いておいた。各卦の最初に漢詩がかかれており、これが各卦の判断のキーになっているので、
書き下し文を付け、漢詩の解釈を岩城元随譯述『吉凶禍福 三十二番御鬮
(きっきょう かふく さんじゅうにばん みくじ)』(明治三十八(1905年,藤井文政堂)から引用した。
また、原書がデジタルデータとして公開されているサイトの紹介、歴史的な説明、和訳・編集である
厚見道純のこと、中国の観音籤との比較、中国の類似する本の入手方法なども書いてある。
ある中国の類似書の中の序文には、この籤にまつわる興味深い霊験談があるのでそれも紹介している。
この本は観音籤の占いに興味がある人ばかりでなく江戸時代の籤や占いの文化(あるいは文化人類学)に
興味がある人にとっても大いに参考になるところがあると考えている。
   from 妙智力先生 


【目次】
・はじめに
・解題
・凡例
・表紙見返し
・麺観音籤
・雲感觀世音籤卜占(せんぼくうらなひ)序
・観音(せん) 占(うらなひ)やうの事
・(参考) 『雲應三十二卦』の冒頭の由緒書と叙
・(本書の由来と占い方) 由来と占法の原文
・由来と占法の大意
・五行異卜書叙原文
・五行異卜書級大意
【觀音籤三十二卦之目録】
昇進卦(しょうしんのけ) 第一番 金木水火土 上々大吉
従革卦(じゅうかくのけ) 第二番 金●●●● 上中吉
曲直掛(きょくちょくのけ) 第三番 ●木●●● 中々
関下卦(じゅんかのけ) 第四番 ●●水●● 上上吉
炎火野(えんかのけ) 第五番 ●●●火● 中中
稼穡卦(かしょくのけ) 第六 ●●●●土 中中
漸寧卦(せんねいのけ) 第七 金木●●● 中上
得助卦(とくじょのけ) 第八 金●水●● 上上大吉
安木卦(あんぼくのけ) 第九 金●●火● 中下吉
随心卦(ずいしんのけ) 第十 金●●●土 上上大吉
百達卦(ひゃくたつのけ) 第十一 ●木水●● 上中大吉
萬安卦(ばんあんのけ) 第十二 ●木●火● 上上吉
難進卦(なんしんのけ) 第十三 ●木●●土 中下
安静卦(あんせいのけ) 第十四 ●●水火● 中下
組隔卦(そかくのけ) 第十五 ●●水●土 下下
消厄卦(しょうやくのけ) 第十六 ●●●火土 上上吉
喜至卦(きしのけ) 第十七 金木水●● 中中
猶預掛(ゆうよのけ) 第十八 金木●●土
豊稔卦(ほうしんのけ) 第十九 金●水火● 上上吉
得得卦(とくろくのけ) 第二十 金●水●土 上上大吉
明昌卦(みょうしょうのけ) 第廿一 金●●火土 中上上吉
福禄卦(ふくろくのけ) 第廿二 ●木水火● 上上大吉
凝滞卦(ぎょうたいのけ) 第廿三 ●木水●土 下下
栄顕卦(えいけんのけ) 第廿四 ●木●火土 上中上大吉
相見卦(そうけんのけ) 第廿五 ●●水火土 中中
永成卦(ようせいのけ) 第廿六 金木●火● 大上吉
歳稔卦(さいしんのけ) 第廿七 ●木水火土 上上吉
交泰卦(こうたいのけ) 第廿八 金木●火土 上上吉
四季卦(しきのけ) 第廿九 金木水火● 上上吉
後喜卦(こうきのけ) 第三十 金●水火土 中下
遅滞卦(ちたいのけ) 第卅一 金木水●土 下下
無極卦(ぶきょくのけ) 第卅二 ●●●●● 下下
・用語集
付録1 【觀世音菩薩靈課』觀世音菩薩感應靈課製版流通縁起
付録2 中国の観音量32卦の系統と構成
付録3 コイン付き中国簡体字版『観世音菩薩感応』の入手方法
・『雲應三十二卦』の入手方法
・ PDF版『觀世音菩感應量課』の入手先
付録4 初版『雲感観音筆三十二卦占』(元禄七年春)の表紙
付録5 昭和版『無感観世音籤ト考』の表紙
付録6 尼僧が「従革卦」から科挙の合格を予言した理由
・あとがき
・聖観音と三蔵法師
 
  霊感観世音吉凶卜籤考  判読・注:妙智力 A4 100頁 ¥1,980(込)  
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